2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3085ページ
ナイス数:122ナイス

ミラノ殺人事件 (扶桑社ミステリー)ミラノ殺人事件 (扶桑社ミステリー)感想
馬が合いませなんだ。すんません。
読了日:2月28日 著者:P.フェラーリ,S.ジャチーニ
そして医師も死す (創元推理文庫)そして医師も死す (創元推理文庫)感想
ディヴァインの上手さが光る1作。事件の深層を探っていくことによって、よそ者と土地の有力者とが対立する構図を描き出しながら、少ない登場人物でフーダニットを繰り広げる。主人公の一人称で物語が進められていくので、敵方の容疑者を意図的に怪しく見せながら、見方の容疑者に対しても疑いを拭い切れないもどかしさ。そこに第三者の友人でもある警部補が中立的な立場の推理を挟み込んでくるので、読者は霧に包まれた感覚になる。派手なトリックなどを使わずとも、登場人物の行動と動機を論理的かつ冷静に読み解けば、自ずと糸が解けていく妙。
読了日:2月26日 著者:D・M・ディヴァイン
天使の鬱屈 (講談社文庫)天使の鬱屈 (講談社文庫)感想
シリーズ最終作。時代は遡って1950年代。『天使の憂鬱』で登場した謎の詩人フランシス・ユールグリーヴに迫っていくのかと思いきや、前2作の重要人物がユールグリーヴにまつわる誰々でしたという感じで幕を降ろしてしまった。階段を外されたような、オチのない落語を聞かされたような、なんとも尻切れトンボ。ここまで登場人物の出生や配置が決まったのだから、『天使の遊戯』の後日談を書いてもらって現代でエンジェルとユールグリーヴにまつわるエピソードに決着をつけて欲しかった。そこを書かないことで読者の想像が膨らむのを狙ったか?
読了日:2月22日 著者:A.テイラー
天使の背徳 (講談社文庫)天使の背徳 (講談社文庫)感想
ミステリというよりも、ゴシック・ホラーの雰囲気を強くだした作品に様変わりしている。シリーズ1作目『天使の遊戯』の登場人物である司祭の過去を描いており、なかなか興味深い。また『天使の遊戯』で誘拐事件の主犯格のエンジェルについても書かれているが、エンジェルの深層にまで達しておらずこちらはとてももどかしい。『天使の遊戯』からの謎は解けつつあるものの、本作で新たに謎が生まれたこともあり、3作目を読まざるを得ないのだ。怪しい詩人や司祭のさらに秘められた過去など、次作で全ての伏線が回収されているのかが楽しみである。
読了日:2月16日 著者:アンドリューテイラー
天使の遊戯 (講談社文庫)天使の遊戯 (講談社文庫)感想
「Requiem for an ANGEL」シリーズの1作目。4歳の少女の誘拐を軸に話は進んで行く。パートは2つ。誘拐された少女の母親の視点パートと犯人一味のロリコン男視点のパート。これと言った見せ場もないままに最後に誘拐事件は解決されて終わる。が、誘拐の主犯格エンジェルの過去や母親側に登場する司教の謎、それに副司教の母親に罵声を浴びせ自殺した老女の謎など、伏線を張りっぱなしになっていて、2作目以降を読まざるを得ない状態で終わる憎い構成。単品でも楽しめるとあるが、シリーズを通して読みたくさせる1冊である。
読了日:2月14日 著者:アンドリューテイラー
放送中の死 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)放送中の死 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)感想
ラジオの生ドラマ放送中に殺人事件が起きる。それも登場人物がまさに殺される場面で実際に殺人が行われていた。なかなか大胆なプロットだし、当時のラジオドラマの雰囲気やBBC内部の建物構造やスタッフ配置などを、見取り図やキャスティングシートを使っていかにもな本格雰囲気を出していることもあり、興味深く読める作品だ。一見偶然の積み重ねに見えるアリバイトリックも、それなりの説得力もあったが、動機が弱いか。サスペンスチックなクライマックスの後に説明される事件の深層で伏線も回収されており、本格ミステリとしても及第点だ。
読了日:2月9日 著者:ヴァル・ギールグッド&ホルト・マーヴェル
ペニクロス村殺人事件 (1958年) (世界探偵小説全集)ペニクロス村殺人事件 (1958年) (世界探偵小説全集)感想
著者が元警察官ということなので、緻密な捜査を書き込んでくれているかと思っていたら、全然そんなことはなく、普通のサスペンス小説だった。幼女殺しというデリケートな素材は素材だけで、犯人の動機などの膨らみがなくちょっと拍子抜けしてしまう。ある証拠の見聞と証拠が生きるか死ぬかの時間要素に関しては、なかなか面白い紐付けだけど、犯人特定の決め手としては少々脆弱な感じもなくもない。もっと警察小説にしてしまうか、幼女殺しのドラマ部分をふくらませてくれればいい作品になるのに、期待して読んだ分、ちょっと残念な結果だった。
読了日:2月5日 著者:モーリス・プロクター
鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)
読了日:2月3日 著者:

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